ろぐ(仮) 忍者ブログ
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何年ぶりかテイルズ熱が再来しているのでサイトの改修改変を行ってます。
ブログも不要なものはほぼ非公開にしました。
突発小説は一応残してみましたが続きは書かないと思います。
自分の名前、何にしようかな。
※名前変換機能がないため、デフォルト表示です※





「努力の結晶が…せっかく成功したのに……」
その場にへたり込んで、惨めな姿の球体を撫でまわす。
ビスは外れ半分が床に埋まり、胴を支える太い足は周囲に転がっている。
操縦席は辛うじて原型を止めているものの、唯一の扉は壁ぎわで動かない。
故障時特有の臭いもまた、物悲しい。
ブツブツと呪咀のように独り言をもらすその様は、不気味だった。

誰も近寄らない。いや、近寄れないのだ。
女はふらふら立ち上がり、周囲に散った残骸を拾い集めだした。
ひとつ拾うたびに何事か呟く。
蹴り飛ばし壁にヒビを入れた扉らしきものも、引きずりながら球体のもとへ。
生気の無い目で本体を起こしにかかったとき、ふと床に目がいった。
さっきもめた時に落としたのだろうか。
少し躊躇ってからそれを手に取り、女のもとに歩を進めた。

「なぁ、これあんたのだろ?」
「………えぇ?」
「落ちてたぜ。ホラ」
そう言って焼き鏝に似たものを手渡した。
ガイが音機関いじりをしていたときに見たことがある。
へんてこなコードはなかったけれど。

「……ありがとう。えーと、」
「ルーク。ルーク・フォン・ファブレだ」
よろしくな。
手を差し出すと女は、リクと名乗った。
作業用と思わしきゴーグルをつけたままで、服は油で汚い。
髪はボサボサで手は黒に染まっていた。
けれど、笑った顔は明るかった。

「なあ、もしかしてソレ直す気か?」
「うん…壊れたら修理してあげなきゃ…」
「此処で?」
「うん…此処で……、え?」
「謁見の間では無理だろ」

そこまで言って、リクは周囲を見回した。
此処は自分のサンクチュアリ、もとい、作業場ではない。
理解して、ぎこちなくルークをみた。
その後ろに蜂蜜色の長髪美人。
………般若かと思ったけれど。

「やぁっと状況が理解できたようですねぇ?不法入国さん」
「う……すみません」
「まさか、警護兵に怪我を負わせる程の力があるとは思いませんでしたが」
「え?怪我っ!?」
「もう治療済みです。全治2、3週間というところでしょうか」

全治2、3週間。その言葉にさっと青ざめた。
大怪我を負わせた。それはいけないことだ。
いくらウィングバッグに手が加えられそうだったとしても。
完全に固まってしまった不審者、リクの眼前で手を振るがそれは無意味だった。
面倒な女だと思い、わざとらしく深いため息を吐く。

「あんまりバカ面下げていると、蹴り飛ばしますよ?」
「ご、ごめんなさい!」
「おいジェイド!」
薄汚れた顔の前にニーハイブーツの裏を見せる。
脅すように軽く振れば弾けたように立ち上がった。

「ともかく、その譜業はこちらで預かります。解体したりしませんのでご心配なく。あなたは取り調べを受けて頂きます」
任意ではありませんよ。

飛びっきりの笑顔で言い渡された死刑宣告にも似たそれは、この後の苦悩の始まりだった。
※名前変換機能がないため、デフォルトになります※







西暦2xxx年 春 日本



「ふっ………ついに出来たわ」
深夜一時をまわる頃、呟くような声が部屋に響く。
バンッ、と大きな音ととも作業着に身を包んだ人間が、肩を震わせながら現れた。
服も頬も汚れボサボサの髪の毛は手入れという言葉を知らぬ程。
周囲に散乱した専用工具類の中央には、ひと一人乗れるくらいの大きな球体が鎮座していた。 

「これがあれば空飛ぶ兵器なんかに乗らずとも、海外へ行ける…」
ふふふ…
若干、別次元へ飛んでいった意識で操縦席へ座る。
爛々と輝いた目で最終確認を行う。
不法侵入で捕まらぬよう、パスポートを忍ばせる。
日本円をいくらか持ち、少しの携帯食料と水を一本。
あとはその身一つ。語学も大体極めたから問題ない。
シートベルトを締め、青く光るボタンに触れる。

「さぁ…いくわよ……」

そのスイッチがいままでの生活に終止符を打ち
新たな始まりになろうとは―― 

胸を高鳴らせる彼女は知る由もなかった


ガ、ガンッ ドゴーン 

壮麗たる滝を背景に、厳かな雰囲気に包まれている謁見の間。
敵国キムラスカの王族二名が、マルクト皇帝と顔を突き合わせている。
マルクト領土内にあるセントビナーが、崩落の危機に晒されているのである。
原因を作った贖罪と、純粋に住民を助けたいという気持ち。
戦争回避という重大任務を背負い、新たに和平を結ぶべく再出発をしようとしていた。

その時だ。冒頭のような不釣り合いな爆音が響いたのは。
ついさっきまで何もなかった空間に、突然足付きの球体が現れたのだ。
驚きのあまり誰も動けない。
灰色の煙が隙間から洩れ、内側から鉄を蹴る音が響く。
5、6回鈍い音が鳴ったあと、ゴシャッと扉が吹っ飛んだ。
そこに人がいなかったのが幸いだった。
ストレートに飛ばされたそれは壁にぶつかりヒビを生んだ。

「おっかしいな~。着陸もしっかり計算したのに……」
頭部を掻きながら捻った首を治そうと、そこをマッサージする。
眩しい外に目を細めきょろきょろと周囲を確認する。
見慣れぬ顔の作り。見慣れぬ服装。見慣れぬ建物。
これはまさに。

「ぃやったぁーッ!ついに夢が叶ったーぁ!!」
バンザイをしてガッツポーズを決める。
ここがどの国だろうと、日本でないのは間違いない。
それだけで今までの努力が報われたというものだ。

「で、えーと…ここはどこだ?」
服装、は結構特殊みたい。身軽に動けるようなぴったりとした格好だ。
髪の色はカラフルで訝しげにわたしを見ている。
改めて自分の姿を見下ろすと、酷かった。 そういえば風呂にもろくに入ってないっけ。
ぐるりと人々を見渡して、一番話し掛けやすそうな赤髪に近づく。 

「ねぇ、悪いんだけどさ。此処がどの国だか教えてくれる?」
「え、俺?」
「うん。あ、もしかしてキミも分かんなかったりする?」
「いや、わかるけど…おまえ誰?」
「わたし?わたしは……」
名乗りかけて、突き付けられた刃物に黙った。
赤髪の彼と距離が離れ、代わりに青に取り囲まれた。
手にあるのは槍や剣だ。いずれも首元に突き付けられている。

「あのー…?わたしまだ何もしてないんですが」
一応、顔の横に手をあげ何もしないよという意志を示す。
示したが、それは全くの無意味だった。
「誰の手の者だ。ヴァンか?大詠師モースか?それとも…」
「は?ちょ、い待って!身分証明ならホラ」
蜂蜜色の長髪男(…だよね?)の殺意の含んだ視線に怖気づきそうになりながら、ポケットのパスポートを投げる。
左手でキャッチしたそれを開き視線を落とされる。
眉間によった皺が、訝しげなそれが驚きに、研究者の表情に変わっていく。
同類の勘だ。

「…陛下。すみませんが一室お借りしてもよろしいですか?」
「あ、あぁ。構わん」
「ありがとうございます。―連れていきなさい」
「はっ」
「は?や、ちょ、離せー!って、それに触るなぁッ」

長い年月を掻け、幾度も失敗を繰り返し。
丹精込めて造り上げた愛着のあるウィングバッグを、ぞんざいに扱われてたまるか。
態勢を低くし武装集団の間をすり抜け、腰に手を掛ける。
備えつけの小道具バッグから小振りなハンマーを取り出す。
触れようとしたおそらく男の肋骨辺りを思いっきり、殴った。
突き付けられた刃物にビビっていた女とは思えない。

「わたしがどれだけ苦労してウィングバッグを造ったと思っている!壊れでもしたらどう責任を取るつもりなんだっ」
「心配せずともそれはもう壊れてますよ」
「………あーーーッ!!」 

気づくのおせーよ。
奇しも、この場にいる全員の心の声が一致した瞬間であった。
部屋の中央で放心状態に陥っているたった一人を除いて。

大きいサイズのほうがキレイだ
そのぶん雑さもモロバレ

アレン・ウォーカー



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ゲームしたり、ゆめぬしの小説を書いたりしています

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